俺様彼氏はShy Boy？

「仲直りできたってな」


文化祭の代休明け。

昇降口でニコニコと笑顔で手を振るミッチャンに会った。


「どうして、知ってるの？」


ミッチャンには、今日学校で話すつもりだったのに。

もう何もかも知ってるような口ぶりだった。


「俺が話したんだよ」


そう言ってあたしの後ろから聞こえてきた声に、あたしは笑顔で振り返る。


「おはよ、海斗」


少し眠そうな顔で、大きなあくびをする海斗になんだか口許が緩んでしまう。


「海斗がミッチャンに？」

「そう、比奈にもうちょっかい出すなよって、忠告するついでにな」


ニヤリと意地悪な笑みは、まだ健在で。

その笑い方は、海斗の言うとおり高藤先生に少し似ている。


「ちょっかいねぇ…まあ、比奈には海斗が合ってると思うから、仕方ない諦めるしかないか…」


少しふざけ調子のミッチャンの口調に、クスリと笑みが漏れた。

海斗はずっとミッチャンのことを毛嫌いしてると思ってたのに。

本当はすごく仲が良いんじゃない。

ミッチャンのこと、親友って言ってたもんね。


海斗がこんなふうにミッチャンに話しかけてる姿を学校で見るのは新鮮で。

海斗に話しかけられるミッチャンはすごく嬉しそうだった。