俺様彼氏はShy Boy?


「そうだ。比奈にこれやろうと思って」


はい。と差し出されたのは、一枚の白い紙?


「……写真?」

「そう」


ニカッと笑うミッチャンは、いつもよりも意地悪な感じがして。

それに気がついた海斗が少し焦ったようにあたしからその写真を奪い取ろうとした。

だけど、それよりも先にあたしの瞳に映ったその写真は。

ミッチャンと、黒髪の男の子。


「…えっ?」


そのサラサラな感じの黒髪は、ワックスなんかでセットされることなくナチュラルで。

長めの前髪が目元を少し隠していた。


その目元には、黒縁のメガネ。

制服も崩すことなく綺麗に着られていて、どちらかと言うと大人しめな優等生みたいな男の子。


でもこれって…――



「…海斗?」

「ご名答」


悪戯っ子なミッチャンの笑顔とは裏腹に、海斗の顔がどんどん引きつっていく。


「充!! てめぇ!!」


声を張り上げる海斗に、ケラケラと笑うミッチャン。

そんな二人を見て初めは驚いたけれど。

ジャレあってるようにも見えて、なんだか微笑ましい。


近くにいた他の生徒は、いつもはクールな海斗がいきなり怒鳴ったりするから。

何事だ!? と視線を向けてきた。


そんなこともお構いなしで、海斗はミッチャンに突っかかっていく。


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