俺様彼氏はShy Boy?


さっきまで顔色を変えてたのは海斗だったのに。

今は、ミッチャンが海斗の言葉にアタフタしている。

だけどそんなミッチャンを海斗は気にすることなく、あたしに向かって『行くぞ』と顎で合図してきた。


海斗に聞きたいことがたくさんあるけど。

その表情を見る限り、これ以上突っ込んでくるなとばかりの冷め切った瞳があたしを見据えていた。

いろいろ突っ込みどころ満載だけど、今はこれ以上聞かないほうが身のためらしい。


「行くぞ」


海斗は未来から写真を取り上げてから、あたしの腕を掴んで歩き出す。

突然すぎて、そんな海斗にあたしは着いていくのが精一杯だった。


特に何を話すこともなく。

この長い廊下を海斗と二人で歩いていく。

教室までのこの廊下を海斗と一緒に歩いてるだけなのに。

周りに見える景色とか、他の生徒の笑い声とか。

全然違って見えるから、不思議。


昨日まで、ここを通るたびに胃がキリキリ痛くなってた。

教室に海斗がいるのか気になって仕方なかったのに。

女の子に囲まれてる海斗を見るのがツライと思ったり。

毎日毎日、複雑な気持ちでこの廊下を歩いてた。


もう、こうやって海斗と並んで歩くことは叶わないと思ってた。


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