俺様彼氏はShy Boy?
「…いつまで、笑ってんだよ」
ずっと緩んだままのあたしを見下ろす海斗の眉が、ピクピクと動いたことに気がついて。
クスリと笑ってしまう。
「笑いすぎだ」
不貞腐れたような言い方。
あたしの腕を掴んでた手が離れると。
そのままあたしの肩まで上がってきて、グイッと引かれた。
海斗の匂いがあたしを包み込み、肩から海斗の温もりが伝わってくる。
少し視線を上げれば、あたしを見下ろしていた海斗の瞳とピタリと合った。
吸い込まれそうな眼差し。
海斗の瞳に、幸せそうなあたしが映りこんでいることに気がついて。
急に恥ずかしくなってしまう。
「…本当だ。今、コンタクト入ってないね」
じゃあ、今はあたしの顔はよく見えてないのかな?
海斗の瞳を見つめたまま、そんなことを思う。
整ったキレイな顔がすぐ目の前。
これだけ近かったら、さすがにあたしのこと見えてるよね。
だって、あと少しあたしが背伸びすれば。
鼻先がくっつきそうな距離…だもんって――
「そんなに顔近づけたら、キスするぞ」
クイッと不敵な笑みがあたしを射止める。