俺様彼氏はShy Boy？

キス…してくれたらいいのに。

そんな思いから、上目遣いに海斗を見つめて。

あたしの顎が少し上を向いた瞬間。

引き寄せられるように海斗の唇が重なった…


だけど、それは軽く触れただけ。

すぐに離れていきそうになるから。


とっさに海斗の制服をクイッと引っ張って、

今度はあたしから海斗の唇に自分の唇を押し付けた。


触れるだけじゃなくて。

海斗の下唇を甘噛みするように、カプリと吸い付くようなキス。



「…おまえなぁ」


そんな呆れた声とは裏腹に、海斗の瞳の色が変わったように思えた。


「そんな顔で見んなよ」


そう言って、あたしの視界は海斗の手のひらで目隠しされてしまう。

そんな顔って、どんな顔？

そんなの聞かなくたって自分でもわかってしまうほど。

今、あたしは海斗に欲情してる。


「…勘弁しろよ」


小さな溜息。

さっきよりもきつく引き寄せられた身体。


今、すごく幸せだ。