俺様彼氏はShy Boy?
教室に入れば、クラス中に注目されて。
だけど、誰もが優しい視線を送ってくれる。
美佳の姿はなかった。
でも、美佳といつも一緒にいる女の子達は少しホッとしているようにも見えなくない。
未来が言ってたように。
あたしがいないときの海斗は、相当恐れられてたのかな…なんて思ってしまう。
「なに~、やっと仲直り?」
あたしを見つめるなり駆け寄ってきた友だちが、あたしと海斗が一緒にいるのを見て嬉しそうにそう言った。
「よかった、よかった。これで、このクラスにも平和が訪れるわ」
そんな厭味っぽく言うくせに、クスリと笑う瞳は優しい。
あたしたちの後ろから教室に入ってきた未来も。
「ホントよね。もう、みんなを巻き込むのはやめてよね」
ポンと頭を撫でられて。
「比奈をよろしくね」
未来の言葉に、海斗はクイッと口角を上げた。
「当たり前。比奈以外の女には興味ねえよ」
そう言う海斗は、必要以上にかっこよくて。
クラスの女の子で頬を染めてる子も少なくはなかった。
だけど、そんなこと1mmも気にすることなく。
教室の中、自分の席に歩いていく海斗の後ろ姿を見てクスリと笑みがこぼれてしまう。