俺様彼氏はShy Boy?
だけど、それもかなわずに。
「そんなこと言えなくしてやるよ」
少し強引に顎をグイッと引き上げられて、同時に奪われた唇。
海斗の宣言どおり。
暴れていたあたしはすんなりと大人しくなって、何も言えなくなってしまう。
「……んっ」
素直に大人しくなってしまった自分にも。
あたしの扱い方をわかってますって余裕顔の海斗にもイラッとして。
ジタバタと抵抗したところで、敵わないのわかってる。
でも、ズルイ。
海斗のキスは、あたしをすんなりと虜にしてしまう。
悲しいことに、本当に何も言えなくなっちゃう……
熱った頬、潤んだ瞳。
時折漏れてしまう甘い吐息。
「…海…斗っ……」
ダメ……
もう、立ってられない。
酸素不足なのか、それとも海斗のキスに酔ってしまったのか。
クラクラとする身体ごと、海斗に抱きつくように崩れ落ちる。
「フッ、比奈…エッチな顔してる」
口許をニヤッと引き上げ、俺の勝ちだとばかりに鼻を鳴らす。
誰のせいよ。
頭では怒りでそう思ってるのに。
身体はもう、海斗でいっぱいだ。