俺様彼氏はShy Boy?
嫉妬と溢れる思い
一瞬の沈黙。
ビューっと少し強い風が通り過ぎて、木々がザワザワと音を立てたとき。
さっきまでまったく聞こえていなかった園内の賑やかな音が戻ってきた。
そして気づく。
たくさんの視線を。
恥ずかしさに自ら海斗の胸元に顔を埋め、彼の腕をギュッと握り締める。
「帰るぞ」
そんなあたしを片手で拘束して隠したまま歩き出す。
ミッチャンのことは完全に無視だ。
チラリと見えたミッチャンは、怒りや悲しみというより呆れたような表情であたしたちを見ていた。
「ちょっと……」
「は?」
「ちょっと待って!」
暴れるあたしに、一度歩みを止めると。
不機嫌な顔をした海斗と目が合った。
「帰るって……」
「あぁ」
「そんな、勝手には帰れないよ…」
「はぁ?」
眉間にシワがよる。
眉がつりあがる。
こめかみが、ピクピクと動いてる。
これはもう、完璧にご立腹だ。