泣くなって
「この前の返事…どう?」
やった!待ってましたーーー!その言葉っ!
よし、一旦落ち着いて、私、断るだけ…断るだけ…
「あのごめんね、私…」
「聞きたくない、」
「フンガフンガフンゴッ!」
(なにすんのよ!)
この状況を説明すると、私が断る言葉を言おうとしたら神埼颯馬が私の口に手をあてて、喋らせないようにしている…
あぁっ、息…できないっ!苦しい…
「俺と1回デートしてよ。そしたら断ってもいいよ?」
はぁ?!この状況でよくそんな事が言えるよねっ!
絶対行きたくないっ!
「フンゴッ!フンゴフンゴ!」
(行きたくない!離してっ!)
「俺とデートするって言うまで離さないからね?」
ニヤリと浮かべた余裕の笑みは私の事を徴発しているようだった。