俺は人間に恋をしてしまった

少女とカッパの出会い

暑い陽射しの中、小さい女の子はお婆ちゃんとお爺ちゃんの家の庭でスイカを食べていました。

小さい女の子｢んー！お爺ちゃんが育てたスイカ甘くて美味しい！｣と元気よく言いました。

お爺ちゃん｢美味しいか～それは良かった。婆さんもっとスイカ持ってきておくれい｣と言いました。

お婆ちゃんは｢はいはい、分かりましたよ。｣とニコリと笑って立ち上がり冷蔵庫からスイカを取り出し切っていきました。

｢ヨッコイッショと…婆さんワシも手伝うぞ｣と言い立ち上がり婆さんのお手伝いをしにいきました。

小さい女の子は木の廊下に座り足をブランブランしていると…

木と木の間の茂みからガサガサッという音がなり動きました。

小さい女の子は不思議に思い草履(ぞうり)を履きガサガサッという音がなった場所に近づきました。

すると、そこには今まで見たことがない動物でした。

頭には乾いた皿に手と足の指と指の間にはヒレがついており、背中には甲羅がついておりました。

｢ねえ、君は新しい犬なの？｣と小さい女の子は聞きましたが無反応でした。

小さい女の子が木の廊下に戻ろうとした時でした。

｢お、俺は…犬じゃない…頭に…み、水を掛けて欲しい…｣と弱々しい声で小さい女の子に言いました。

小さい女の子は走ってどこかに行きました。

｢そりゃ、怖がって逃げちゃうよな｣ボソッと変な動物が言った瞬間、上から冷たい水がバサーと降ってきました。

変な動物が上を見ると、そこにはバケツを持った小さい女の子がいました。

｢バケツにお水くみに行ってたの。急にどこかに行ってゴメンね。｣と謝りました。

変な動物は皿が潤ったので元気になり自己紹介しました。

｢助けてくれてアリガトな！俺の名前はカッパ。｣

｢私の名前は水瀬　水音(みなせ　すいね)宜しくね！｣と元気よく挨拶しました。

｢ところで、水音さんは俺を見て怖くないのか?｣と聞きました。

水音は｢全然怖くないよ！後、さん付けは良いよ水音ちゃんとか呼び捨てで良いよ｣と言いました。

｢俺、妖怪なんだぞ?｣と言うと｢妖怪ってなに?｣と水音が聞きました。

カッパは妖怪について詳しく教えてあげました。

｢妖怪は人間襲ったり人間に困らせたりするんだ。また、逆の場合もある。例えばカッパは俺だけじゃないんだ仲間がいて仲間の皆で川を綺麗にしたりするんだ｣と説明しましたが5歳の水音には難しい話でした。

｢何を言ってるか分からないけど、悪い妖怪もいて良い妖怪もいるんだね！｣と言いました。

｢まあ、そういう事かな…｣

カッパは苦笑いしながら頭をポリポリと掻きました。

すると、ベランダからお婆ちゃんの声が聞こえてきました。

お婆ちゃん｢水音～水音～どこにいるんだ～?｣と水音を探していました。

｢あ、いけない！スイカ食べてたんだ！

水音は慌ててお婆ちゃんに｢ここにいるよ！すぐに行く～｣と呼び掛けました。

｢あ、ちょっと待って！｣と慌ててカッパは水音を呼び止めました。

水音が振り返るとカッパは｢俺に会った事は誰にも言うなよ?お婆ちゃんやお爺ちゃんにも。｣と言いました。

水音は頷きました。｢水音～スイカ不味くなっちゃうよ～｣とお婆ちゃんに呼ばれたので｢はーい、今そっちに向かう～｣と返事をしカッパの方に振り向くとカッパはもういませんでした。