RE. sEcrEt lovEr
椎名先生いわく あたしが麻酔で落ちてから、手術室には異様な空気が流れたらしい。



「…そういう アレなんですか?」

「何が?」

他のスタッフの質問の意図を理解できてない甲ちゃん。

「この子は僕の後輩の娘さんでね、甲斐くんも昔から 彼を慕っていたから絹ちゃんとは面識があるんだよね」

助け舟を出したのは他の誰でもない、神谷先生だった。

「じゃあ、気持ちはもう切り替えよう。甲斐くんもガウン着ておいで」



…神谷先生、退院したらお礼に行きます。

「あたしのせいで甲ちゃん、いじめられてないですか?」

そう言うと、椎名先生は一呼吸置いてから口を開いた。

「ねぇ、絹香ちゃん。身体大丈夫そうなら少しだけ歩く練習しない?私も付き合うから。ね?」

答えになっていない答えに不安を覚えながらも、支えられながら病室を出た。
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