よるのむこうに
「お前だからここまでするんだからな。他の女だったら絶対しねえ」
世話してるっていうけど食事を作ってるのは私だし掃除はお掃除ロボットだし洗濯はほぼ洗濯機がやって干すのは私だし買い物だって天馬には任せられないから私が同行してるしどっちかっていうと世話をされているのは未だに天馬のほうだと思う。
お風呂だって、時間はかかるけどまだ一人で入れるのに天馬が趣味でいっしょに入ろうとしているだけでむしろ若干迷惑なんだけど。
しかし、たまにペットボトルの蓋を開けてもらったり牛乳パックをあけてもらったり米を運んでもらったりして、それは確かに助かってはいるので強く言えない自分が居る。
「天馬、あのさ」
「なんだよ」
「一人でできることはするから、気を使わないで」
彼は私の言葉に眉をあげた。
「え。気は使ってねえよ。風呂でやったら後の始末も楽じゃん」
「けっきょくそれ!?もおおおおおキモ!さいってー!!」
「はあ?自分の女相手に風呂でやって何が悪いわけ。普通だろ。イヤなのかよ」
「イ、イヤとかそういうことじゃなくて」
「じゃあいいだろ別に。前は断った事なんかなかったのに意味わかんねーよ。
ついでにちゃんと洗ってやるから心配すんな」