よるのむこうに
私はそれにかすかな不満を覚えながらも、何も言えないままずるずるとその状態を続けている。
今も時々、私は自分が天馬と付き合っているのかどうかさえわからなくなる。
天馬は私をどう思っているのだろうか。聞きたい。けれど聞いてしまったらその瞬間に私達の関係が壊れてしまうような気がする。いや、気がするどころじゃなくて確実にそうなる。
いつか天馬が自堕落なこの生活のせいでデブになったら容赦なく捨ててやる。
イケメンでさえなかったらあんたなんか何も怖くないんだから。
私は心の中で悪態をつきながら不貞寝(ふてね)して、そしてそのまま何もかも忘れて慌しい朝の中にすべてを置き忘れて仕事に向かう。
残念なことにというべきか、天馬は自堕落な生活をしていてもデブになることはなく、私はだからこそ彼と縁をきる機会を失った。
そうやって二年が過ぎたのだ。