よるのむこうに


彰久君は私達を恋人同士だと仮定して話をしてくれているけれど、実際私が恋人同士かというとそうではないからだ。
かといって友達とも違う。


私はずっと天馬を一人の孤独を埋めるための話し相手にしてきて、彼が私の気持ちを求めないのをいいことに仕事が忙しければほとんど彼を構わなかった。
彼は彼で、まるで半野良の猫のように、私をえさの供給場所にしている。

互いが嫌いなのではない、むしろ好きだし都合がいいとも思っている。
今までの恋とは毛色の違うこの関係は、いびつで、そして少し特殊だった。

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