泥酔した店長さんの部屋での告白から始まるお話。急速に展開される忙しない恋なのかと思ったら、全然違いました。
お店では頼れる男なのに意外な一面を持っている神谷店長。しっかりと自分や周囲をみることができる詩織さん。ふたりとも、とても魅力的に描かれています。
お互いが、自分と相手の気持ちに向き合い尊重しながら過ごす一週間は、読みやすく落ち着いた文章と丁寧な描写で繊細に紡がれていきます。
たった一週間の出来事を綴った中編小説だということが感じられないほど、充実した読後感を得られました。
神谷さんと詩織さん。それぞれの止まっていた時が再び動き出し、今度はふたりで新しいこれからを築き始めるという、まさに『再生する』ための物語。
読み終えた時、思わずほっと頬が緩んでしまうような素敵なラブストーリーです。