my mother
第1章
僕のママ
僕は豆太郎。
チワワという種族らしい。
目が覚めると、僕はここにいた。
目は見えないけれど、匂いがした。
暖かくて、優しい、僕のママの匂いが……。
それから、僕の兄弟の匂い。
僕らは皆、
「ママ…ママ……!」
って必死に鳴いていた。
僕と兄弟はママの側まできて、一生懸命ミルクを飲んだ。
「いっぱい飲んで、大きくなりなさい。」
ママの声は優しく、僕の頭に響いた。
ママは暖かくて、兄弟も優しくて、ミルクは美味しくて、生まれてきて良かったってそう思った。