my mother
それから少しして、僕達が箱から出してもらうことが出来た。
でも、その場所は全く知らない匂いでいっぱいした。
ママはどこ…?
僕に優しくしてくれたあのママはどこ…?
ママの匂いがしない。
…ここはどこ?
初めて目が見えなくて、怖いと思った。
その時
「あら、可愛いわんちゃん達ね!この子達ならお客さん達にも人気が出るかもしれないわね!」
と明るくて、優しそうな声がした。
それから、暖かそうないい香りがした。
この人達は誰?
僕に優しくしてくれる?
怖いことしない?
僕がプルプル震えていると、その女の人は
「そんなに震えることはないわ。今は私をママと思っていいのよ。」
と優しく体を撫でてくれた。
この人が僕のママ。
ぼんやりとママの顔が見えた。
思った通り、優しそうな顔だった。