my mother
ガラス張りの箱で眠るようになってから何日かすると、目がはっきりと見えるようになった。
そんなある日、僕をじーっと見てくるおばちゃんがいたんだ。
最初はじーっと見てくるから、何かされるんじゃないかって怖かった。
でも、ガラスのせいでよく聞こえなかったけど、そのおばちゃんは僕に『可愛いね』って微笑んでくれた。
それから、僕を箱から出してくれた。
「可愛いでちゅね〜家に持ち帰りたいわ〜♪」
って満面の笑みで言ってくれた。
僕は本当に嬉しかったんだ。
この人が…僕のママ?
そう思ったけど違ったみたい。
そのおばちゃんは少し僕とあそんでくれたかと思ったら、すぐに僕を他の人に渡してそのままどっかに行っちゃった。
そして、僕はまた箱の中で眠った。