雨恋の氷河
夕食の時月はめずらしく黙々と食べていた。
「いちじく月と喧嘩したの?」
「えっ!?喧嘩なんてしてないよ。」
「ならいいんだけどさ」
夕食を食べ終えて和室へ向かった。
月とは小さい頃からの仲で私のことをすごく大切にしてくれていた。
魔力をすごく持っていて昔私を魔人から守ってくれたことがあった。
その時から月は私のボディーガードとして一緒に暮らしている。
昔から代々伝わってきた月光祭っていうお祭りがあるんだけどそれで毎年儀式が行われるの。
巫女はいつも雨恋家の長女がやることに決まっていて私のお母さんおばあちゃんおおおばさんって……
御先祖様たちがやってきた。
皆月光祭が終わるとどこかに消えてしまった。
今年は理由あって私が巫女をやることになった。
「もうすぐね。月光祭……」
いつのまにか椿が部屋に入ってきていた。
「椿……どうしてそんなに悲しそうに月光祭の話をするの?」
「今年から月光という世界で変な事件が多々起きてるのよ。そのせいで結界が説かれたって皆言ってるわ。」
「結界って昔私が魔人に襲われた時の?」
「えぇ。月が封印してくれた魔界への入口のことよ。」