雨恋の氷河
冒険
……ハッ
目が覚めたら私は知らない岩の上に横たわっていた。
「よかった。いちじく大丈夫か?!」
「えっ?!月どうしてここに?」
「あの時オレも同じ呪文を唱えたんだ。そしたらいちじくと一緒に引きずり込まれたんだ。」
「月はいつも、私を守ってくれるね。ありがとう」
「当たり前だろ。」
「ここどこ?」
「分からない……。未知の世界かもな。」
「未知の世界?!」
私は椿に聞いた未知の世界を思い出した。
ここもしかして……
「月光」
「え??」
「ここ月光だよ。」
「昔オレが封じたはずなのに?!」
「月が封じてくれた入口がなんでか開いちゃったみたいなの……。」
「そうか……とりあえず歩こう。ここにいても何も変わらない。」
月はそう言って私の手をとった。
「月は本当に優しいのね」
「お前を守るのがおれの個人的な仕事だ。」
個人的??命令されてやってるんじゃないの?
なんだろう……こんなにうれしいのに恥ずかしいような感情は…
その答えをまだ知ることができなかった。