先生。あなたはバカですか?
それに私は、人付き合いが得意ではない。
人に媚びたりする性格ではないし、変に媚びられるのも好きじゃない。
中学生の時なんかは、私が愛想笑い一つしないものだから、影で氷の女王なんてあだ名が付けられていたくらいだ。
失礼しちゃうわ。ホント。
面白くもないのになぜ笑わなきゃいけないの。
そんな事を考える事すら時間の無駄だと思った私は、結局のところ1人が一番楽だという結論に達した。
それは、今でもそう思っている。
なのに…
花織ちゃんは不思議だ。
一緒にいても煩わしく感じたりしない。
こんな私といたって、楽しい事なんて一つもないのに、いつもニコニコ側に居てくれる花織ちゃんは、むしろ側に居てホッとする存在になっていた。
昨日だって…–––––
『ねぇねぇ!翠ちゃんて好きな人いないの??』
就寝前、机に向かって問題集を解いている私に後ろからそんな声がして振り返る。
『へ?』