先生。あなたはバカですか?
「だってそういうことだろ?今の。
すげー可愛い顔してたぞ?今だって真っ赤だし」
それは、怒ってるからでしょーがっ!!
「へーえ」と言いながら顎を触るこの男の口元は、完全に緩んでいる。
「俺に会いたかった?」
意地悪い顔をずいっと近づけられ、「うっ…」という声と共に、私は地べたにお尻をつけたまま後ずさり。
「ねぇ。会いたかったかって聞いてんの」
それでも尚、迫ってくるこの男…。
こいつ…。
私に意地でも“会いたかった”って言わせるつもりだな?
ぐぬぬぬ……。
絶対に言うものかっ!
「別に…会いたくなんて…なかった…です」
「本当は?」
はぁ!?
なんてしつこい男なの!?
「会いたかったって言えよ」
「い、言いませんっ」
「言わないと、いたずらするよ?」
「ひっ…!」
後ずさりする私の上に覆い被さるように迫ってくる先生は、片手で私の顎を持ち上げてゆっくりと顔を近づけてくる。
待って!
待って!
この距離はダメっ!!
絶対ダメっ!!
心臓がもたないっ!!
息が苦しいっ!!