先生。あなたはバカですか?

何だか薄々感じてはいたけど、この人って……意外に純粋なんじゃ……?


いやいや!まさかね!!


だけど、そうか……。


先生は、一緒にいたいと思ってほしいのか。



運転している先生の横顔を覗き見る。


横顔も綺麗だな……。


鼻筋が通っていて、睫毛が長くて。


車の外から注がれる街灯の光が綺麗な陰影を作り出していて。


こんな人が、私の側にいてくれるだなんて、今でも信じられない。


凄く凄く、儚い奇跡のように思える。


そう思うと、心に灯るこの温もり。


多分、きっとこれが……––––。



「一緒に……いたい……ですよ」


「……え?」


驚いたように私に顔を向ける先生。


「先生といたいって……思うに決まってるじゃないですか」


照れ臭くて、凄く凄く小さな声で、上目遣いでそう言ってすぐに目を逸らす。


先生は、口を開けて目を見開いたまま動かない。


–––パッパー!!


「先生!クラクションが鳴っています!!」


「……あ。あぁ」


慌てて車を発進させる先生は、気のせいだろうか?耳が赤い。


右腕を窓枠にかけ、口元を押さえている。
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