先生。あなたはバカですか?

「ちょっ……!先生頭痛はっ……」


「もう治った」


「え!?!?」


はぁぁぁぁぁ!?!?


軽快な足取りでキッチンの方へと進んでいく先生。


心なしかルンルン♪という効果音でも聞こえてきそうだ。


いやいやいやいや!


ちょっと待って!!!!


そんな早く治るわけあるか!!


この男、どこまでが本当でどこまでが嘘なのか分からない。


ひょっとして……頭痛も膝枕をしてもらうための口実だったり……。


だったら許すまじ。この不良教師ぃぃぃぃぃ!!!!


そうこうしている間にも、先生はキッチンの中へと入って行く。


いや!!


今はそれどころじゃない!!


伝えたい事はさっき伝えてしまったし、謝りたい事も謝ってしまったし!


今更あの悲惨なカレーを晒すわけにはいかない!!


「先生!!あのっ……!!」


だけど、時すでに遅し。


先生の後を追いかけてキッチンに入った時には、もうすでに先生が鍋の蓋を開けているところだった。


「あ……の……それは……ちょっと……」


「……スープ?」


「カレーですっ!!!!!!」


相変わらず失礼な男だ。


そこは嘘でも「美味そう」って言うところだろう。
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