先生。あなたはバカですか?
うん。
もうきっと大丈夫。
明日からは、きっともっと向き合って、
お母さんと話が出来るんだから……。
「……先生」
「あ?」
後ろから肩を抱くように回されていた先生の腕を解いて、見上げるように先生と向き合えば、先生は少し驚いた顔をする。
私はそんな先生に少し躊躇しながらも、意を決してその胸へと飛び込んだ。
「……おまっ!?」
「先生、ありがとう!!」
先生がいたから、新しい世界を知って。
先生がいたから、その世界に飛び込んで行けた。
先生がいたから、“真面目”という名の殻で守られた自分を変えたいと思って。
先生がいたから、そんな自分の殻を打ち破れた。
先生がいたから夢を持って。
先生がいたから、こうしてお母さんと向き合う事が出来た。
全部全部、先生がいたからです。
これから、もっともっと強くなってみせます。
もっとずっと成長して、絶対に素敵な女性になってみせますから。
だから、お願いです。
これからも、ずっとずっと側で見守っていてください。
私の成長を見ていてください。
先生の背中へと回した腕に力を込める。