先生。あなたはバカですか?
「今からそんなに意識しててどうすんの?これから、もっと凄い事するかもしれないのに」


そう甘く囁いた。


耳にかかる先生の吐息に、背筋がゾクッと震える。


それと同時にボンッと音を立てるように体中が熱くなる。


「翠。顔上げて」


「……っや」


「いい子だからほら。目つむって」


逃げ道を塞ぐように、蹲る私の背後の壁に手をつく先生。


熱っぽい眼差しが、私を捉えて離さない。


もう一方の手は私の顎を持ち上げ、親指が私の唇をつと撫でたかと思うとそれをこじ開ける。


躊躇なく落ちてくる先生の唇を、私は受け……………



入れるわけがないだろっ!!!



ーーーゴンッ!


「っだっ!!」


「わわわわ私っ!次!お風呂!借りますから!!」


私の華麗なる頭突きをくらい、フローリングに仰向けに倒れている先生を置いて、私は着替えの入ったポーチを引っ掴み、急いでバスルームへと駆け込んだ。


その場にズルズルとヘタリ込み、顔を覆う。


熱でもあるんじゃないかってくらい顔が熱い。


どうすればいいの!?


このままでは、本気で貞操の危機を感じる!!
< 316 / 434 >

この作品をシェア

pagetop