先生。あなたはバカですか?
今まで何度もここには来ていて、彼と2人にだって何度となくなってる。


だけど、こんなに身の危険を感じた事なんてなかった。


こ、これがクリスマスマジックってやつですか!?!?そうなのか!?!?


私は、自分を落ち着けるよう深く息を吐く。


まさか本気で通報するわけにもいかないし。


いや、あれはさすがに冗談だけど。



かくなる上は、“アレ”しかない。


こんな事もあろうかと、持ってきていて正解だったわ。


私は手中にあるポーチをギュッと握りしめた。







「お前なんだ。その格好は」


お風呂から上がってきた私を見て、化け物でも見たかのような顔で固まる先生。


ふ。しめしめ。


予想通りだ。


「何って、中学の時のジャージですが何か?」


そうしれっと言いのける私の格好はというと、当時、生徒達の間でも散々ダサイと不評だった指定の水色ジャージ。

胸の所には赤い糸で名字の刺繍が施され、背中にはアルファベットで大きく学校名が書かれている、色気もへったくれもない格好だ。


「お前…ないわ…それはないわ…」


「何でですか。楽なんですよ?ジャージ」
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