先生。あなたはバカですか?
待て。


なぜそうなる。


「そ、そんなの無理に決まってるじゃないですか!!」


「んな顔しなくても安心しろ。俺は学ジャー女を襲う趣味はない」


いや。いやいやいや。


そりゃそうでしょうが……。


そう言われて、“はいそうですか。”ってさすがに同じベッドで一夜を過ごすなんて出来るわけがない。


呆れてものも言えないとはこの事だ。


ただただ、唖然としていると。


「それとも何か?」と先生はズイッと顔を近づけてくる。


「翠ちゃんは、どうしてもいやらし~い事想像をしちゃうのかな?」


「なっ…!?」


妖美な笑みを浮かべて、人差指で私の顎をクイッと持ち上げる先生。


同時に、パチッと私の中の変なスイッチがONになって……。



「ババババッカじゃないの!?そんなわけないじゃないですか!!一緒のベッドでも何でも寝てやりますよっ!!!ノープロブレムですよ!!!」






–––––––––なんて。


バカは私だ。



「……そんな端っこで寝づらくねーの?」


「全然!ちっとも!!」


「…あ。そう」


先生が小さな溜息を零すのを、私は先生のベッドのひたすら端っこで、今にも落ちそうになりながら毛布にくるまって聞いていた。
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