先生。あなたはバカですか?
「先生!!あのっ…離れ…ひゃ!?」
首にヒンヤリとした感覚があたって、咄嗟に先生の胸を押しやって体を引き離せば、「ついた」と言った先生が私の鎖骨辺りを微笑ましそうに見ていた。
そこに、恐る恐る触れてみると、指先に何やら硬いものが触れる。
「なんですか?」
「クリスマスプレゼント」
先生から手渡された手鏡を覗くと、そこには沢山のダイヤをあしらった、それはそれは光り輝くリング型のネックレスがついていて……。
うわぁ…!
凄く綺麗…!!
–––って、
「こ、こんなのっ…もらえません!!」
「そうきたか」
だってこれ…!
とても学生がつけていいようなレベルのネックレスじゃない!
こういうものに疎い私でもさすがに分かる。
恐らくこれは、きちんとしたブランドの宝石店で買うような高級ジュエリーだ。
それに…。
「だって…私…先生に何もプレゼント用意してない…」
そもそも、クリスマスが恋人達の間でプレゼントを交換する日だなんて、認識すらなかった私を、今もの凄く殴ってやりたい。
「いらねーよそんなの」
「でっ…でも、そんなわけにいきませんっ!!」
「あー、じゃあさ…」と言って、じっと私を見つめてくる先生。