先生。あなたはバカですか?

「先生!!あのっ…離れ…ひゃ!?」


首にヒンヤリとした感覚があたって、咄嗟に先生の胸を押しやって体を引き離せば、「ついた」と言った先生が私の鎖骨辺りを微笑ましそうに見ていた。


そこに、恐る恐る触れてみると、指先に何やら硬いものが触れる。


「なんですか?」


「クリスマスプレゼント」


先生から手渡された手鏡を覗くと、そこには沢山のダイヤをあしらった、それはそれは光り輝くリング型のネックレスがついていて……。


うわぁ…!


凄く綺麗…!!


–––って、


「こ、こんなのっ…もらえません!!」


「そうきたか」


だってこれ…!


とても学生がつけていいようなレベルのネックレスじゃない!


こういうものに疎い私でもさすがに分かる。


恐らくこれは、きちんとしたブランドの宝石店で買うような高級ジュエリーだ。



それに…。


「だって…私…先生に何もプレゼント用意してない…」


そもそも、クリスマスが恋人達の間でプレゼントを交換する日だなんて、認識すらなかった私を、今もの凄く殴ってやりたい。


「いらねーよそんなの」


「でっ…でも、そんなわけにいきませんっ!!」


「あー、じゃあさ…」と言って、じっと私を見つめてくる先生。
< 324 / 434 >

この作品をシェア

pagetop