先生。あなたはバカですか?
その際勢い余って、先生の上に倒れ込んでしまった私は、先生の上に跨るような体勢になってしまって、自分でも驚いてしまい体が金縛りにあったみたいに動かない。


「あんなので、俺が満足すると思ってんの?」


色気の漂った目つきで、私の首から垂れるネックレスに触れる先生を見て。


“あ。もう、逃げられない”と覚悟をするしかなくて。


ドクドクと煩く鳴り響く自分の心臓の音を聴きながら、ゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりと頭を下ろして……。



–––––––ちゅ



先生の唇に、ほんの一瞬の…本当に触れるだけのキスをした。



まずいっ!!


心臓が口から飛び出そう!!


バッと口を押さえ、先生から離れようとするも。


「全然足りない」


「え!?」


後頭部に手が回り、引き戻され。


「んっ!!〜〜〜!!」


深く、深く口づけられてしまった。


何度も角度を変え、甘く激しさを増すそのキスに私が苦しくなってぎゅっと先生の服を掴むと、先生は少しだけ息する間を与えてくれる。


「先…っ…!」


だけど、直ぐにまた重なる唇に、いっぱいっぱいな私は本当にどうにかなってしまいそうだ。


「……っは…んんっ!」


おまけに、空気を取り込もうと開けた隙間から先生が進入して来て。
< 326 / 434 >

この作品をシェア

pagetop