先生。あなたはバカですか?
「わ、私はてっきり…森田先生は岩田先生と付き合っているんだとばかり……」


「私、あいつみたいなの全然タイプじゃないよ。イケメンて見てると3日で飽きるんだよね」


うわっ。


今さらりとすごい事言いましたよ、森田先生。


でも…そっか…。だから教頭か……。


「……何だか妙に納得しました……」


「だから君。さっきから失敬だぞ」



なんだ……。


そっか……。


先生は、結婚しないんだ……。


そっか……。



「なーに?生田さん。やけにほっとした顔してるね。もしかして、岩田狙いぃ?」


森田先生にニヤニヤとした顔を向けられ、私の顔が一気に熱を持つ。


「あーやっぱり。でも、あいつはやめときな」


「……何で…ですか?」


「あいつ、大切な子がいるから」


「……え?」



なに…それ…。


「あいつね、実は3年前に大きな手術をしたらしいんだ。命に関わる大きな手術だったらしいんだけど。その時に支えてくれた子らしいよ」


……私と別れた後、先生を支えてくれた人がいたということ?


何だそれ。


わけがわからない。


私だってあの時、先生を支えたかった。


受験とか、未来とか全て投げ出してでも、先生に寄り添う道を選びたかったんだよ?
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