先生。あなたはバカですか?
【岩田翔太:体育館の入口】
そのメッセージに眉をひそめる。
体育館の入口?
え?何?どこの?
体育館には校舎から繋がる入口と、グラウンド方面へと繋がる入口がある。
校舎から繋がる入口は、先生達によって封鎖されている。
……という事は……。
グラウンド方面へと繋がる入口は、春の甘く爽やかな風が入るよう開け放たれていた。
そこから舞い込むピンク色の花弁に、そういえばグラウンドの周りにも、沢山の桜の木が植わっていたなと思い出す。
その花弁舞う中に、腕を組みドアの淵に片方の体を預けるストライプスーツを着た男性の姿。
柔らかそうな黒髪をなびかせ、私が気付いた事が分かったのか、笑みを浮かべ片手を上げた。
「なっ…!」
「どうしました?先生?」
「あ……いえ……すみません」
立ち上がろうとした私に、学年主任の鋭い視線が突き刺さる。
先生!!何であんな所に…!!
自分の学校は一体どうしたの!?
学年主任の先生に気付かれないように、もう一度先生を覗き見る。
さては、何かしら上手い理由をつけて遅刻していくつもりだな?
それでも教育者かっ。
本当不良教師な所は、昔から何一つ変わらない。