先生。あなたはバカですか?
……今…何が起きた?
放心状態の私に、先生は平然と言う。
「図書室での答え」
「……は?」
「俺が、本当にお前の世界を壊してやるのかって話。」
「……っ!!」
この人…!
やっぱり聞いていたんだ!!!
「お前がどれだけ俺を拒絶しようが関係ない」
「ちょっ…離して…」
「俺がお前の世界をぶっ壊して、新しい世界を見せてやる」
「!!!」
あっと思った瞬間。
また、私の唇に温かい感触が触れる。
初めてだけど、知っている。
きっと、私には一生縁がないと思っていた事。
私、
キスされてる。
「〜〜〜っっ!」
–––––––バチンッ!
「大っ嫌い!!!!」
私は、それだけ言い放って、玄関に駆け込む。
まだ、お母さんは帰ってきていないようだ。
良かった…。
私は、へなへなとその場にへたり込む。
先生の頬を叩いた手がジンジンと痛い。
信じられないっ!
あり得ない!
「〜〜〜っなんで…?なんでこんなドキドキしてんのよっ…」
火照った身体が憎らしい。
自分自身が一番、あり得ない。
「大嫌い!大嫌い!」
まるで、自分自身に言い聞かすかのように、私はそう呟き続けた。