先生。あなたはバカですか?
そんな様子ですら可愛らしいから不思議だ。
うん。でも、確かに。
今回の模試は今までにないくらい苦戦する内容だった。
特に数学。
私もC判定の原因は、主に数学にあるように思う。
これさえなければ、もう少しまともな判定だったかもしれないのに…。
私は彼女に頷いた。
「私も数学が問題だわ…」
「なんだ〜生田さんもかぁ!良かったぁ!学年トップの生田さんが言うんだから間違いないね!少し安心しちゃった!
えへへと笑う芝関さん。
「あ!そうそう!」
何かを思い出したかのように、芝関さんはおもむろにカバンの中を漁り出すと「あった!」と言って紙らしきものを取り出した。
「生田さん!良かったら、コレ一緒に参加しない??」
見せられた紙に書かれた内容は…
「…数学特別講習会?」
「そう!夏休みに入ってすぐなんだけどね!理事長の知り合いの宿を貸し切って、3泊4日の泊まりで毎年やってるらしいよ!
入試の応用対策特化の内容らしいから、A組B組の偏差値の高い大学を狙う成績上位者しか参加出来ないらしいんだけど、今年は担任の峰山先生が主体となってやるらしくて、数学苦手だって話したら参加しないかって!A組の参加者が私一人だけだったら寂しいし、生田さんも一緒にどうかな?」
手を前で組み。キラキラした瞳でお願いのポーズをしてくる芝関さん。
その天使のような可愛さに、思わずうっと小さな声が漏れてしまう。