先生。あなたはバカですか?
そもそも、私に対してこんな風に気さくに接してくる人間自体が珍しいのだ。
言うまでもなく、日々参考書を片手に勉強ばかり。
ろくにクラスメイトの顔すら覚えていない。
誰かと世間話をしている時間があれば、勉強をしていたいと感じる私は、敢えて人との関わりをシャットアウトしてきた。
まぁ、案の定、
そんなつまらない私に、話掛けようとする物好きな人間などいないわけで…。
だからこそ、こんな風なお願いをされるなど相当レアなケース。
正直戸惑う。
物凄く戸惑う。
こういう時って、どう対応すればいいんだっけ…?
「わ…たし、そういう勉強合宿じみたものに意味を感じないのよ」
芝関さんは、キョトンとする。
あー。だめだ。
上手く言えない。
別に相手を傷付けたいわけじゃないのに、ついキツイ口調になってしまう。
自分でも自覚ありだ。
人と関わるのって、勉強よりも難しいと思う。
まぁ、勉強しかしてこなかったわけだし自業自得と言えばそうなんだけど…。