先生。あなたはバカですか?

「どうして?」


そんな私の心配とは裏腹に、無垢な瞳で首を傾げる芝関さん。


普通はもうこの時点でみんな引いていくのだけど、芝関さんは全く気にしていない様子。


それどころか、私の意見に興味深げに耳を傾けてくる。



これは、ちゃんと理由を話さなければ終われなさそう…。



「そもそも、勉強って誰かとするよりも一人でする方が効率的だと思うし、スポーツじゃないんだからわざわざ合宿までして気分を高める必要性もないと思うの。合宿代や移動時間だって、勿体無く感じるわ。そのお金は参考書や問題集を何冊も買えるだろうし、移動時間は過去問を2教科分くらい解けるんじゃない?」


「……うーむ。なるほど…」


芝関さんは、顎に手をあて何やら考えている様子。



そこは、すかさず納得して欲しい所なのだけど…。


でも、芝関さんは違うようで、ピコーン!と頭の上に電球が光るように何かを思いついた様子。


「そうそう!そういえば、今回の期末の上位者 3名は合宿代免除されるって聞いた気がするよ!
それに移動中もね!数学の問題を使ったレクレーションをやるらしくて!それなら移動時間も無駄にはならないんじゃないかな!」
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