先生。あなたはバカですか?
「あの…ちょっと聞きたい事がありまして…」
「おー!生田が聞きたいこと!!おおぉ〜!!よっしゃ!じゃあ、中で聞くから入って入って!!」
峰山先生は、なぜだか妙に嬉しそうに数学科準備室の中へと私を促してくる。
「いや…っ!えっ!中はちょっと…」
「まーまー遠慮せず!お茶くらい出しますから!」
ちがーうっ!!
そういう事ではなくてっ!!
中にはっ…!
あの人がっ……!!
………て、あれ?
「ほらっ!そこのソファーに座って座って! 」
「あ…失礼します」
数学科準備室の中はとても静かで、他に人らしき姿は見当たらない。
何だ取り越し苦労だったわ…。
あの変態教師専用の机の上は整然としている。
鞄も見当たらないし、何か作業をしてい
た気配もない。
もしかして、帰ったとか?
それとも外出?
「どうしたキョロキョロして?」
峰山先生のその言葉ではっとさせられる。
私ったら、なんであんな人の事を考えてるの!
あんな最低人間どうだっていいじゃない!