先生。あなたはバカですか?
「か、可愛いなんて…そんな…!生田さんのがずっと…」
「謙遜しなくていい。私、お世辞とか言わないから」
「…っ…あ…ありがと…」
カァァっと顔を赤くして俯く芝関さん。
???
「い…生田さんて、話してみたらちょっと思ってたのと感じ違うね」
「そう?」
「や、いい意味でね!!!
思いきって生田さんに話しかけてみて良かったなぁって!あ。あのさ!もし差し支えなければ、翠ちゃんて呼んでもいいかな!?」
「……」
私なんかに好意的な笑みを向けてくる芝関さん。
何だろこれ…。
すごく、むず痒い。
でも、嫌な気持ちでは…ない。
私がコクリと小さく頷くと、
「ありがとう!!!私も花織(カオリ)でいいからね!」
そう言って芝関さんは、花の咲いたような笑顔を向けた。
私は、そんなふうに笑顔を向けられたのも、こんな気持ちになったのも初めてで、
少し戸惑いながらも、
「うん…」
と、小さく頷いた。