先生。あなたはバカですか?
***
イライラする。
腹立たしい事この上ない。
一体、なんなのあの教師は!
あんなのが教師だなんてこと自体、間違ってる!
私は苛立ちを発散するように、教室まで続く廊下をズンズンと早足で歩いた。
こんなに何かに苛立ちを覚えるのなんて、どのくらい振りだろう?
普段、この学校という名の狭い世界で生きていく上で、波風を立てないようにひっそりと過ごしてきたのに、
なぜよりにもよって、あんなに目立つ人に目を付けられてしまったのか…。
仮にも教師よ?教師。
どこの世界にあんなに堂々と、生徒に告白をする教師がいるというのか…。
しかも、
“俺の女なれ”
だなんて。
何様よ!って話だわ。
「生田」
そう呼び止められて、私は声のする方を振り返る。
「峰山先生…」
私を呼び止めたのは、担任兼、我がクラス3−Aの数学科担当教師だ。
ちなみに、先ほどの不良教師も数学科担当教師で、峰山先生はA組からC組までのクラスを担当。
不良教師はD組からF組までのクラスの担当で、クラスが多い分、基本受け持つクラスが分担されている。