先生。あなたはバカですか?

「私はいいけど…」


「ホ、ホント!?」


「だけど、みんな平等にくじ引きをして決めた席なのに、あなただけ特別に代わってあげる事は出来ない」


「……え?」


3人の表情が強張る。


私は参考書に目を戻して、それを見ないふりをする。


「…で、でも、今いいって…」


「うん。だから川島くんの隣を譲るのは構わないって事。だけど、ズルをするのはよくないと思う。他にだって誰かと一緒に座りたい人は居るでしょう?それをやり出したら、くじ引きの意味がなくなってしまう」


「生田さんっ…そんな言い方…!」


左側に居た気の強そうな子が、私に何かを言いたそうに一歩前に踏み出してくる。


だけどそれは、私達の間を遮るものに静止された。


「俺が何?」


「かっ…川島君っ!!!」


川島くんとやらは、ドカッと私の隣の席に座ると、


「俺、寝るから。あっち行ってくれる?」


何とも冷たい言葉を女子3人組に言い放ってのけた。


あーぁ。


彼女泣いて走って行っちゃったわ。


さすがにそんなに冷たい言い方は私でもしない。

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