先生。あなたはバカですか?
「お前なぁ…。苦し紛れに人を景品にすんじゃねーよ」
一番前の座席で足と腕を組みながら、それはもう面倒臭そうに顔をしかめる岩田先生。
そうよそうよ。
大体こんな人のキ、キ、キ…(やっぱり言いたくない)…が景品になった所で誰が食いつくかっていう…
「ハイ!ハイハイハイ!!あたし、その景品希望です!!!!」
……え?
「先生!!!頑張るから口ちゅーにして!!」
…………いた。それも沢山。
ふーっと溜息をついた先生は立ち上がる。
そして、トンと座席の背もたれの肩に肘を置いて、
「して欲しけりゃ、さっさと問題解いて持って来な?」
少し気怠そうに、だけど誘うように私達にほくそ笑んだ。
胃もたれを感じながら、ゲンナリとした顔でそれを見る私。
とは裏腹に、車内にこだまするみんな(主に女子)
の黄色い悲鳴。
何やってんだ…この男は…。
何かもう色々と面倒臭くなって来たわ…。
だけど、問題集は欲しいのよね…。
「じゃあ、始めるぞ!用意っ!!
スタート!!」