ソファーに並んで
二人は同じ事を考えていた、長年隠し抑え続けた想いを打ち明けた幸福と満足感…全員での調和を優先する、関係性崩壊の危惧、そんな事は恐怖でもなければ甘えでもない…考える必要の無い事を考えてしまっていただけだった…

弟と妹は兄と姉に悟って欲しかった、だから信じて見守り続けていた…どんな結果になっても大事な空間は合わせて変化してゆく…ようやく気付けた…
「僕らは情けないね…全然、強くなんかない」
「そうね…ただ臆病風に負けてたのね、強くなりましょう…要と明音にも謝らないといけない」
「うん、一番近くで一番迷惑を掛けてしまった…」

その時、開いたままのドアからの視線に気が付いた…縦並びに顔の半分だけ出し要と明音がこちらを覗いていた…
「えっ!二人とも…何時からそこに?」
驚きながら律が問う、指で額を掻きながら少し斜め視線で要が答える
「えーっと…その…なんか入るタイミング解んなくて…」
続いて同じ仕草で明音も答える
「お姉ちゃんって…けっこう大胆なんだね…?」
律と千尋が同時にボッと顔が赤くなる
「と…とりあえず、中に入りなさい…」
千尋がそう言うと二人の全身が見える、ずぶ濡れだ
「もしかして雨の中帰って来たの?」
今度は頬を掻きながら要は答える
「いや…止んでから帰って来たんだけど…色々あって……ね?明音ちゃん?」
困惑と恥ずかしそうな反応で返事をする明音
「へっ!?うん!そっ…そうっ色々!色々…ね」
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