ソファーに並んで
午後の授業も終わり、放課後になる
帰路へ着くが登校時とは異なり、明音の姿はなく3人で帰る事が多い…前もって部活の有無を千尋へ伝えてあるので急な変更以外は連絡しない…

「あっ!そうだ、本屋へ寄ってもいい?欲しい小説が発売日なんだった」
律の趣味は読書、小説に限らず雑誌や漫画も読む…
「ええ、構わないわ」
すんなり承諾する千尋
「ええ!この前、辞書みたいなすごい分厚い本読んでたじゃん?あれもう読んだの?」
拒否はしないが要は律の読書に対して疑問がある…基より要は活字が苦手なので小説はあまり読まない、雑誌と漫画は共有するも律が買う漫画は要とあまり趣味が合わない…
「いや、そんなに分厚くはないよ…あの本も今度、漫画化と実写映画化されるから要も読んでみる?面白いよ?」
合わない理由は、内容が複雑なものが多い…要にとって難しいもの…
本屋へ立ち寄り目当ての本を購入し再度、帰路へ…その途中

少し柄の悪い男性が女性の手首を掴み言い寄っている
「なぁ?オレとちょっと遊ぼうぜ?な?」
周りを通る人間も見て見ぬふり…悲しい時代だ…
「どこにでも、ああいう人っているのよね…」
千尋がそう言いながら割って入ろうとするが先ほど買った本の袋を片手に律が止める
「千尋、ここは僕が行くよ…」
偽善や正義感などではなく二人は“見過ごす”という事が出来ない性格、それを理解している要は万一に備える状態になる…しかし先に近づき男性へ声を掛ける人間が一人いた
「これこれ…それくらいにしなさいな?」
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