ソファーに並んで
男性が振り向くとそこには立派な口髭と眉…そして帽子から覗く整えられた長い白髪が印象的な老人が立っていた
「何だ?ジジイはすっこんでろ!」
乱暴な言葉を返す男性
「まぁまぁ…そんな手荒に女性を口説くもんじゃあないじゃろ?良い体格とせっかくの男前が台無しじゃぞい?」
冷静に説く老人…流石に周りの人間もざわつき出す
「オレに説教しようってか!?あ?」
女性の手首をはなし老人へ凄む男性だが老人は動じない
「いやいや…ワシは説教なぞできるもんじゃないわい、じゃが老いぼれの言う事も聞くもんじゃ、ほれ?亀の甲よりというやつじゃよ?フホホ…」
老人は笑いだすが男性は憤怒の極み、一触即発の空気…ついに男性は老人の胸ぐらを引き寄せ殴りかかる、誰もが眼を伏せたくなる…
「やれやれ…………ぬっ!?」
老人に拳が当たる前に律が飛び込んでいた…律が立っていた場所には本の入った袋だけが落ちている…殴られ口の内が切れてしまったのだろう血を流し涙目になりながらも叫ぶ
「…おっ……お願いします…やめて下さいっ!暴力はいけません!」
聞く耳持たずと再度、律を殴ろうとする男性…次の瞬間、今度は老人が律の前に入り、流れる様な動きで男性を投げ飛ばす、綺麗な弧を描き巨体が地面に叩きつけられる
「このバカタレがぁ!恥を知れ!」
かろうじて意識を保っている男性への老人の一喝と共に辺りは呆然とする…
「まったく…もっと穏便に済ませてやるつもりじゃったものを…この勇敢な少年を見習わんか!…頭は打たん様に投げたが暫くは動けんはずじゃ、そこで反省しとれ」
続いて女性へ声を掛ける
「お嬢さん、大丈夫かの?こういう輩には気を付けなさい」
女性は何度も頭を下げ感謝するが、老人は当たり前の事をしたまでと紳士的に返す
律の方へも声を掛ける
「先ずは、すまんなぁ…こんなジジイの為にケガさせてしまったわい、勇敢な少年にありがとう…と言いたいところじゃが、あまり無茶はしてはいかんよ?」
千尋と要が心配そうに駆け寄ってくるが律は「待った」というサインで片手をかざす、そして口元の血を拭いながら老人へ話す
「すみませんでした…気が付いたら飛び込んでしまっていて、あなたが居なければもっと大変な事になっていました…」
老人は腕を組み満面の笑みを浮かべて言う
「うむっ!そこまで解っとるなら大丈夫じゃな、本当に今頃には珍しい見上げた少年じゃわい!」
誰かが通報したのか、警察官が駆け付け倒れた男性を一度だけ目視し老人へ向かい言葉を放つ
「アララ…今回は、なかなか派手にやってしまわれた様ですね?…橘先生」
名前に反応し、直ぐに律が問う
「橘?…もしかして善の…」
老人は返す
「ん?善を知っとるのか?…別に名乗るほどの者でもないんじゃが…ワシは橘 六助と申す、善の祖父じゃよ」
驚きと納得が混ざり合う…そこを狙ったかの様に買い物袋をぶら下げた善一朗が通りかかる
「何だ?ジジイはすっこんでろ!」
乱暴な言葉を返す男性
「まぁまぁ…そんな手荒に女性を口説くもんじゃあないじゃろ?良い体格とせっかくの男前が台無しじゃぞい?」
冷静に説く老人…流石に周りの人間もざわつき出す
「オレに説教しようってか!?あ?」
女性の手首をはなし老人へ凄む男性だが老人は動じない
「いやいや…ワシは説教なぞできるもんじゃないわい、じゃが老いぼれの言う事も聞くもんじゃ、ほれ?亀の甲よりというやつじゃよ?フホホ…」
老人は笑いだすが男性は憤怒の極み、一触即発の空気…ついに男性は老人の胸ぐらを引き寄せ殴りかかる、誰もが眼を伏せたくなる…
「やれやれ…………ぬっ!?」
老人に拳が当たる前に律が飛び込んでいた…律が立っていた場所には本の入った袋だけが落ちている…殴られ口の内が切れてしまったのだろう血を流し涙目になりながらも叫ぶ
「…おっ……お願いします…やめて下さいっ!暴力はいけません!」
聞く耳持たずと再度、律を殴ろうとする男性…次の瞬間、今度は老人が律の前に入り、流れる様な動きで男性を投げ飛ばす、綺麗な弧を描き巨体が地面に叩きつけられる
「このバカタレがぁ!恥を知れ!」
かろうじて意識を保っている男性への老人の一喝と共に辺りは呆然とする…
「まったく…もっと穏便に済ませてやるつもりじゃったものを…この勇敢な少年を見習わんか!…頭は打たん様に投げたが暫くは動けんはずじゃ、そこで反省しとれ」
続いて女性へ声を掛ける
「お嬢さん、大丈夫かの?こういう輩には気を付けなさい」
女性は何度も頭を下げ感謝するが、老人は当たり前の事をしたまでと紳士的に返す
律の方へも声を掛ける
「先ずは、すまんなぁ…こんなジジイの為にケガさせてしまったわい、勇敢な少年にありがとう…と言いたいところじゃが、あまり無茶はしてはいかんよ?」
千尋と要が心配そうに駆け寄ってくるが律は「待った」というサインで片手をかざす、そして口元の血を拭いながら老人へ話す
「すみませんでした…気が付いたら飛び込んでしまっていて、あなたが居なければもっと大変な事になっていました…」
老人は腕を組み満面の笑みを浮かべて言う
「うむっ!そこまで解っとるなら大丈夫じゃな、本当に今頃には珍しい見上げた少年じゃわい!」
誰かが通報したのか、警察官が駆け付け倒れた男性を一度だけ目視し老人へ向かい言葉を放つ
「アララ…今回は、なかなか派手にやってしまわれた様ですね?…橘先生」
名前に反応し、直ぐに律が問う
「橘?…もしかして善の…」
老人は返す
「ん?善を知っとるのか?…別に名乗るほどの者でもないんじゃが…ワシは橘 六助と申す、善の祖父じゃよ」
驚きと納得が混ざり合う…そこを狙ったかの様に買い物袋をぶら下げた善一朗が通りかかる