ソファーに並んで

周辺の様子を観て、なんとなくだが状況を理解した善一朗
「ジイさん、またやったの？警察の方も申し訳ありません…そこに倒れてる人の介抱をお願いします…周りの方々もお騒がせしました」
四方八方へ頭を下げペコペコと謝る善一朗…
「あれ？でも何で律たちがいるの？しかも律っ！それケガしてない？」
頬を触りながら律は答える
「大丈夫、口の内が切れたくらいだよ…」
しかし納得がいかない善一朗
「ジイさん…あんたが居ながらケガ人が出るってどういう事？」
六助の表情が歪む
「すまん…ぐうの音も出んわ…」
律が割って入る
「善っ！六助さんに何も落ち度は無いよ、僕の勝手な行動でケガしただけなんだ…あっ！六助さん、申し遅れました僕は…」
挨拶をしようとした律だが善一朗が先に言う
「律と後ろに居るのが双子の要と女の子が千尋だよ」
要と千尋は深く一礼する
よほど怒っているのか善一朗は六助から目線を離さない…
「ちょっと善…」
また割って入ろうとする律…
「少し黙っててくれないかな？律」
すたすたと千尋が善一朗へ歩み寄る…そしてパン！っと善一朗の頬を平手打ちで叩く
「善一朗くん…まだ六助さんを責める？」
叩かれた頬に手をあてる善一朗…
「…ごめん、でも責めてるわけじゃないんだ…すごく悔しいんだよ！僕はジイさんを最強だと思ってる…尊敬してるから悔しくて仕方がないんだ！」
善一朗が本心を伝えると、要が口を開く
「だったらもっと信用してやれよ？善一朗…俺が言うのも変な話だろうけど…」
要が言う事はいつも真っ直ぐだ…
「まぁ…とりあえず互いに家に帰ってからだな…律の手当てもしたいし」
双方が深く感謝の言葉を交わし家に帰る…