ソファーに並んで
一方、要は千尋と明音と合流し“お腹空いた”という要の意見も汲みファーストフードを食べながら時間を潰す事にした
「律くん、どんな髪型になるのかな~?」
明音はワクワクして仕方ない
「源さんに任せておけば、超格好よくしてくれるよ!俺も毎回切ってもらう度に自分でびっくりする!律の場合どんな感じになるかなー」
要はハンバーガーを口に入れ色々と想像してみる、明音はセットのポテトを勝手に拝借する
「…スキンヘッド」
千尋がそう言った瞬間に二人は口の中の物を吹き出しそうになるが、どうにか堪えるも喉がむせる…
「冗談よ?…半分くらい」
千尋もポテトを拝借する、二人は同じ動作、胸を叩き飲み物を流し込む…
「お姉ちゃん…ケホッ…いきなりだね…しかも半分くらいって…」
涙目でツッコミを入れる明音
「いやっ!無くはないと思う…源さんの美学は尋常じゃないから」
要の発言のあと、三人は想像してみる
「プフッ!無い!無い!おもしろすぎ!」
「そうね、フフッ…自分で言っておきながら想像したら笑っちゃった」
「だよなー!だってさぁ…」
要は髪を片手で後ろにまとめ片手で生え際を隠す
「こんな感じだぜ?」
双子なのでクオリティーが高い
「ちょっとやめてよ!要くん、それは卑怯だよ~お腹いたいって!」
バカな事をしている要の顔に明音は“あっ”っと気づく
「も~ほらっ!要くん、ここ付いてるよ?」
口元に付いたケチャップを明音が指で取ってやる
「ありがと!明音ちゃん」
そんなやり取りをテーブルへ両肘を置いて観察する千尋はどこかの司令官みたいだ…
「時々、思うけど…要と明音の方が付き合ってるみたいね?」
二人は一度だけ視線を合わせ斜め上の方向へ視線を移し少しだけ考え、同時に言う

「そうかな?」

ジュースを一口飲み、諭す様に応える
「うん…そういう行動も含めてね…なんか羨ましいわ」
姉の思考を読みとった妹と何となく気づいた要、千尋と同じ姿勢になり司令官が三人に増えた
「幸せそうだからいいっか!って思ってたけど…お姉ちゃん、律くんともっとラブラブになりたいんでしょ?」
核心を突く明音に対しモジモジしながら答える千尋
「…そうよ…悪い?」
二人は、また同時に言う

「いや、何にも!」

「千尋、もっと律とイチャイチャしろ」
真っ直ぐな意見の要
「律くんとお姉ちゃんは優しさの結晶みたいな存在だからね~その言葉が聞けてなんか安心したよ!」
姉もちゃんと乙女してる!とホッとする妹
率直なアドバイスを要が入れる
「絶対に律も同じはずだよ『女の子って何したら嬉しいのかな?』って律が本読みながら言ってた時、本逆さまだったもん!お互いに言葉にする事が大切な気がする!」
何かを決心した千尋は拳をグッと握る
「…言葉にか…うんっ!私、頑張ってみるわ!」
要と明音はニコニコ笑いながら二人だけが見える範囲で親指を立てグッドサインを交わす
< 28 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop