ソファーに並んで
源から要へ連絡が入り、全員が集合する。初見の為、姉妹は源と簡単に挨拶を交わすと同時に源による品定め…又も要は優しく微笑みを浮かべた源に手招きされ傍へ呼ばれる
「…ねぇねぇ?要ちゃん…テメェは一体、幾つの原石を隠し持ってんだ?あ?この発掘職人さんよぉ?」
二面性、勃発…鬼の形相で半泣きまで要は追い込まれる。表情を戻し、姉妹へ必要以上に近付き提案する
「二人とも…いいわ…千尋ちゃんのこの髪艶も…明音ちゃんの毛先のクセも…いい…スゴくいいっ!…今度、私に切らせてくれない?悪い様にはしない自信はあるから」
綺麗な人だけど何か怖い…と感じながら
「はぁ…はい、よろしくお願いします」
冷静に承諾する千尋
「もちろんです!実はこっちからお願いしようと思ってました~♪」
警戒心など一切もたず元気に返答をする明音
「約束よ?フフフッ…今から楽しみだわ」
妖しく笑みを浮かべる源へ、要からの質問
「あの?ところで源さん…律は?」
奥の部屋へ案内されるが扉のノブへ手を掛け一度止まり注意する
「確認するけど、心臓弱い子はいないわよね?」
そんなに凄まじい事になっているのか?とドキドキとワクワクが止まらず興奮する要と明音、胸に手を当て黙ったまま3人の意志を代表する様に頷く千尋
「じゃあ、いくわよ!」
部屋へ通されるが中は真っ暗…源だけが知る壁のスイッチを押す、重低音が効いた効果音と謎のスモーク、左右からのいくつもの眩しい照明が灯る…
「うわっ!スゲー!」
「なんか緊張してきたよ~♪」
(これって源さんが一人で用意したのかな?)
照明が一点に集中し人影が見える、だが…律じゃない…変なマネキン…

…え?どういう事?…

3人は源の方へ視線を送ると、片手で“下、下”と返される。マネキンの足元に後ろ手に手錠を掛けられ目隠しされた人物が律のようだ…
「うう…もう嫌だよ…誰か助けて…」

…いや、更にどういう事?…

「私がシャワー浴びてるうちに律ちゃん逃げる気がしたから…拘束しちゃった!…逃がすわけ無いじゃない、フフフ」
なんて危ない事する人なんだ…要は駆け寄り、目隠しを外してやる
「大丈夫か!?り……っ!」
何故か要は思わず絶句してしまう
「要ぇ…怖かったよぉ…」
恐怖からの解放、やっと助かった安心感で涙ぐみながら律は要へ訴えるが目を逸らされる
「ん?千尋も…明音ちゃんもいる…助かった」
明音も目を合わせてくれない…千尋に至っては硬直している
「すごいでしょ…律ちゃんは本当にダイヤモンドよ!」
額が見えるくらいに短くした前髪に合わせて全体的に散らせる形の髪型になっている律だが…首元が異様なまでに妖艶な雰囲気が出ている
「…律…なんか…その…」
伝えたい適切なコメントを必死に探す要だがモゴモゴしている…
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