親友終了日
「うん」


先程までの消え入りそうな、か細い声音とは打って代わり、「うん」と答えた翼の声は、とてもはっきりしたものだった。


「……好きな人が、いるから……って……」


その言葉を聞いた瞬間、私は思わず肩を震わせた。


心臓を素手で掴まれたように、胸が痛んだ。


(翼の……好きな、人……?)


そんなもの、考えたこともなかった。
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