俺様男は私の彼氏様!?
少し遠回りをして歩き始める。
ストーカーは後をついてくる。
うぅ、俊がいるけど怖い。
「椿、走れるか?」
「え?あ、うん」
俊は私の鞄を取って、それと一緒に手まで握って走り始めた。
怖いというより、この手!
握られてる手が熱くなって手にばっか集中してしまう。
そんなことばっか気にしてると、もう近所の公園に着いていた。
「ハァ……取り敢えず巻けたかな?」
「俊、手……」
「あ?あぁ、わりぃ」
そう言って手を離してくれる。
離してくれたのに、まだ俊の温もりが残っていて緊張してる自分。
「少し休んでくか」
「うん」
私たちはベンチに腰掛けた。
隣には俊がいて、休むどころか緊張して疲れそうだなー。
……って、今はそんなこと言ってる場合じゃないよね。