俺様男は私の彼氏様!?
『椿?どうした?』
俊の声……久しぶりに聞いた。
「俊……助けて……」
久しぶりって言うべきなんだろうけど、怖くてそれどころじゃない。
俊は驚いていたが、何かを察したのか居場所を聞かれた。
居場所を伝えると、『いいか?そこ動くな』そう言って電話を切られた。
きっと……俊なら助けてくれる。
本来なら助けを求めたらダメなんだろう。
もう同居人でもないんだから。
だけど、私が頼れるのは今は俊だけ。
幼なじみの太一は、今は隣の県にいるから助けを求められないし。
早く……俊、早く助けて……
俊を待つことに15分くらいして、俊は走って来てくれた。
「俊っ!!!」
俊の姿が見えた瞬間、安心ができた。
走って俊のもとへ行き抱きつく私を、ちゃんと受け入れてくれて抱きしめてくれる俊。
この腕にはもう、抱きしめられることないとあの日思っていた。